コンタクト使用者の老眼
■TPOで使い分け/左右の矯正変える
20年、30年来のコンタクトレンズ使用者は中高年となり、そろそろ老眼が始まる年ごろ。その便利さに慣れているだけに、遠近両用コンタクトへの期待は高いが、近視や乱視で使っていたときに比べ、見え方がいま一つという声は多い。老眼が気になる中高年の視力矯正のポイントを紹介する。(平沢裕子)
老眼(老視)は、レンズの役割をする水晶体の弾性が失われ、ピントの調節力が弱まり、近くに焦点を合わせることが難しくなることで、誰にでも訪れる目の老化だ。老眼の症状が出る年齢は人によって異なるが、視力のいい人では45歳前後から自覚症状が出てくる。加齢とともに老眼の度数は進むが、水晶体の弾性は55?60歳で全くなくなるため、60歳を過ぎれば老眼の度が進むことはない。
老眼というと「近くのものが見えにくい」という症状を思い浮かべる人が多いが、初期症状には「まぶしい」「涙が出る」など、一見、老眼と関係ないような症状もある。所敬(ところ・たかし)東京医科歯科大名誉教授は、老眼の初期症状のチェックシートを作成し、「7つ以上チェック項目がある人は、眼科医で老眼矯正について相談してみて」と勧める。
10代、20代から近視や乱視の矯正にコンタクトレンズを使ってきた人にとって、老眼にどう向き合うかは悩ましい問題だ。もともと眼鏡での矯正に不満があったり、美容面から眼鏡を避けたりという人が多く、老眼鏡をかけることに抵抗感がある人が少なくない。
コンタクトレンズ使用者が老眼になったとき、使いたいという要望が最も高いのが遠近両用コンタクト。これまで2週間使い捨てタイプが主流だったが、1日使い捨てタイプも登場し、眼鏡と併用する人にもより使いやすくなってきた。
遠近両用コンタクトには、視線の移動によってレンズの遠用部と近用部を使い分ける「交代視型」と、遠近両方の像を同時に見ながら網膜上で焦点が合った方の像を認識する「同時視型」の2種類がある。交代視型は主にハードコンタクトに用いられ、ピントがあったときはすっきり見える半面、遠くと近くの使い分けが難しいという短所がある。また、ソフトの多くは同時視型で、処方は容易だが、近視などの単焦点レンズに比べて鮮明度が落ち、暗い所では見えにくい。
所名誉教授は「遠近両用コンタクトは眼鏡に比べて見え方が劣るので、精密な視力を要求する人には難しいかもしれない。まあまあの見え方で満足することも必要。それを理解したうえでTPOに合わせて使い分けるといい」という。
老眼の初期の場合は、近視の度数を弱めたコンタクトにする方法がある。この場合、遠くを見るときの焦点が以前より合わせにくくなるが、近くを見るときは前と同じように見ることができ、老眼鏡を使う必要もない。
また、片方の目は遠く、もう一方は近くにピントが合うように矯正し、左右の目で遠近を使い分ける方法もある。慣れないと違和感があるが、60歳を過ぎても老眼鏡を必要としない人の多くはこの方法で見ているといっていい。
いずれの方法も、遠近両用眼鏡と比べれば見え方が劣るため、過剰な期待は禁物だ。
所名誉教授は「老眼が始まるころは、緑内障や黄斑変性など別の眼疾患も増え始めるころ。これまでと見え方が違うなと感じたら、一度眼科を受診してほしい」と話している。
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≪老眼チェックシート≫
□夕刻になると目が疲れる
□体が疲れると手元のものが見難くなる
□明るい所では字が読めるが暗いと読めない
□頭が重くなる
□目がしぶくなる(しばしばする)
□本など初めはよく読めるが、すぐかすむ
□本を長時間読んだ後、遠くを見るとかすむ
□字がにじみ、二重に見える
□涙が出る
□まぶしい
□混雑した電車では本を目から離せないので読みづらい
□電車の中で本を読むとすぐに疲れる
□遠くを見たり近くを見たりを繰り返すと焦点が合わなくなる
□ものを遠ざけて見るようになった
(監修、所敬東京医科歯科大名誉教授)
引用元 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080707-00000936-san-soci
